<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0">
<channel>
<title><![CDATA[[ シンクル ] リイカネ　～ラノベ･漫画家への道～ powered by syncl]]></title>
<link>http://reincarnation.syncl.jp/?ref=rss</link>
<description><![CDATA[漫画家 思考創作]]></description>
<language>ja</language>
<copyright>Copyright (C). All Rights Reserved.</copyright>
<lastBuildDate>Sun, 19 Feb 2012 21:03:57 +0900</lastBuildDate>
<image>
<url>http://static.syncl.jp/img/common/syncl_logo.gif</url>
<title><![CDATA[[ シンクル ] リイカネ　～ラノベ･漫画家への道～ powered by syncl]]></title>
<link>http://reincarnation.syncl.jp/?ref=rss</link>
</image>
<item>
<title><![CDATA[クロと素(しろ)と碧のセカイ②後編／第貳話『癒しのひと時』]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=847446&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br /><br /><br />「う～ん」<br />　自分は腕を上げ背を伸ばし、日が沈む海を眺めていた。なんかあっという間の一日だった。<br />　今日一日は茂原真司のおかげで大盛況だった為、目の回る忙しさというのと、あれから水野に不意に殺されるんじゃないだろうかという恐怖で物凄く疲れた。<br />　でも、猛暑日で厨房は灼熱の地獄で、水野愛にはこきつかれた割には充実感と達成感はあった。<br />　まだバイトさえもやったことはなかったけど……仕事って、こういうものなのかな。実に今清々しい気分だ。<br />「おつかれさま～」<br />　夕日に黄昏れている自分に声をかけたのは、お仲間さんこと仲間由紀夫さんだ。<br />「お疲れ様です」<br />「はい、これ」<br />　お仲間さんが渡したのは、良く冷えた一本のサイダーだった。<br />「いいんですか?」<br />「いいよ。あの地獄のような厨房で頑張ったんだから」<br />　お仲間さんは微笑む。<br />　なんかお仲間さんの微笑みは癒される。<br />　もう五十二のおっさんなのに……。<br />「ありがとうございます」<br />　自分はお仲間さんから良く冷えたサイダーを受け取り飲んだ。<br />「うわぁ冷たくって美味しい」<br />　働いた後の一杯がこんな美味しいもんだなんて。<br />「だろ?」<br />　横で美味しく飲む自分に微笑むお仲間さんがいた。<br />「はい」<br />「しっかり味わっておけよ、この時を。大人になった時になったら、日々に追われ、なかなかゆっくりと味わえないからな」<br />　お仲間さんは遠い目で地平線に沈む夕日を見つめる。<br />　その表情は微笑んでいるのに暗い。<br />　今まで大変な苦労をしているだろうな。<br />「わかりました。　ゆっくりと味わって、大人になる覚悟をします」<br />「いい覚悟だ」<br />　お仲間さんは微笑む。<br />　自分はお仲間さんと一緒に少しの間、その場で黄昏れた。<br />「……あの〜もしかして、安斎くん?」<br />　と。<br />　不意に、声をかけられた。<br />　一瞬、自分にナンパしてきた可愛い女の子だと思ったが――そんなわけがない。それにこのような陽気な声に聞き覚えがある。数少ないというか、殆どいない自分に話しかけるなどという知人でただ一人しかいない。<br />　そこにいたのは、自分のクラスの委員長。<br />　楠木麻友。<br />　水野愛の次に優秀で、みんなから教師からも信頼度が高く、運動神経もなかなか良い。容姿は黒髪ツインテールに、優しげで深い黒真珠のような瞳。控えめで可愛いらしい唇に、笑うと出る控えめなやり歯と靨がアクセントだ。そして以外にもスレンダーな身体つきは男子の中では有名だ。<br />「く、楠木?」<br />「あ、やっぱり安斎くんだ」<br />　楠木はへへへーと、笑顔を見せる。<br />　屈託のない微笑み。<br />「なんで、ここにいるんだ?」<br />「麻友だって、普通に海水浴に来るわよ」<br />「へえー海水浴ね」<br />　真面目の塊、品行方正の生き見本みたいな、清廉潔白を旨としている言われる楠木麻友にしては珍しい行動だ。<br />　あ……確か、ウチの学校はバイト禁止だったはずだ。ばれたら、まずいことになるぞ……。<br />　根は真面目すぎる楠木のことだから、確実に教師にばらされて停学の恐れがある。<br />　一緒にいる水野にも火種がいき、迷惑がかかる。それはかなりまずい……。<br />　もしも、そんなことで停学処分を喰らったら、水野は交換条件を追加、もしくは自分を殺しかねない。<br />　ばれないようにしなくっては……。<br />「何よ、その物珍しそうな目は。　まさかだと思うけど、海とかに遊び行くようなイメージなかったというの」<br />「そんなじゃないけど……真面目な楠木のことだから来ないと思っていたよ」<br />「偏差値が低い人は今からじゃないと、無理かもしれないけど、麻友の場合は偏差値は足りているし、今年は夏をエンジョイしょうと思ってね。　勿論、来年は勉強に集中したいから来れないからね。だから、今日は一年早い中学生最後の夏やすみよ」<br />「へえーそうなんだ」<br />　なるほど、来年は勉強に集中するから今年の夏はその分遊ぶということか。真面目な楠木が考えそうなことだ。<br />「ところで安斎くんは、何やってんの?　どちらかと言えば、安斎くんがこんなところで遊んでいること時点でビックリだよ」<br />「い、いや――なんというか、知り合いがやっている海の家の手伝いを……ね」<br />　さすがに動揺が隠しきれていない。<br />「へえー社会科体験ってことかな?」<br />　楠木のそんな自分を怪訝な表情で見つめる。<br />　なんか隠し事をお母さんとかに問い詰められている気分だ。<br />「まぁそんなことだ」<br />　自分はバレないようになるべく平然さを保ちながら言った。<br />「大人になるのもあっという間だからね。　こういうところで仕事の勉強するのもいいと思って」<br />「ふ〜ん、そうなんだ」<br />　なんか、楠木は水野とは別な生き物だな。同じ秀才で美女だけど、楠木麻友は水野愛とは違った美しさがあるし、水野愛にも楠木麻友にはない美しさがある。同じ美女でも違うもんなんだな。<br />　美女だから楠木も水野と同様、告られることはあるが、誰もが成功した試しはない。しかし、水野と比べたらマシだと思う。水野の場合は毒が飛んでくるが、楠木はその毒を消してくれる解毒みたいに傷ついた心を癒してくれるものを持っている。<br />　文武両道。容姿端麗。そんな言葉は楠木の為にあるんだと思うが……水野愛の方が成績、運動神経、容姿は上回っている。楠木は人間関係、コミュニケーション能力に優れている。<br />　どちらにしろ平凡な自分にとっては、水野愛も楠木麻友も違った意味で超人だ。<br />「まぁ、何はともあれウチの中学ではバイトとしてはいけない校則があるのは知っているよね?」<br />　え……もしかしてバレた?<br />　そんなことを考えて焦りを隠そうとしている自分の表情を楠木は伺いながら言った。<br />「安斎くんを信用しているわけじゃないんだけど――うん、安斎くんも知っていると思うけど、麻友はこんな性格だからね。　何でも確かめないと気が済まないんだ。　それに安斎くんが手伝っている海の家の仕事に興味があるし、体験してみたくなっちゃったのよ」<br />　楠木は最後にエヘッと、周りに光りの描写がかかりそうな微笑んだ。<br />　自分は楠木が興味が出るようなことを言い出してしまった。楠木は興味があるものは、何でも好奇心旺盛で調べたり体験したがる。ある意味で、水野と似ているところがあるということをすっかりと忘れていた。<br />「でも――辛い仕事だよ。　接客とか料理とか、客寄せとか」<br />「大丈夫だよ。　何事も経験だから」<br />「でも……」<br />「でも、じゃない」<br />　……………。<br />　ダメだ。<br />　これ以上は怪しまれる。<br />　どうやら、自分は間違ったフラグを立ててしまったようだ。<br />「じゃ――知り合いの人と話してくれる?」<br />「え……あ、うん」<br />「お願いね」<br />「わかった……話しをしてくるよ」<br />「じゃ、宜しくね」<br />　楠木は、そのままどこかへ行ってしまった。<br />　こりゃ困ったことになった。<br />　どうにかお仲間さんに事情を話して、話しを合わせてもらうしかないな。<br />　楠木には悪いが定員オーバーとか偽って働かせないようにしなければ……。<br />　振り返ると、<br />　そこにいたお仲間さんはいなかった。<br />　さっきまでそこで一緒に黄昏れていたのに……。<br />　自分は周りを見渡した。<br />　すると、<br />　いつの間にか、遠く離れたところで夕日に黄昏れているお仲間さんを見つけた。<br />　その姿はどこか哀愁が漂っている。<br />　いつ、あんな遠くまで離れたんだ?<br />　まぁ――楠木と話している最中だろうけど。<br />　多分、人が優しいお仲間さんのことだから、自分と楠木との話しを邪魔しないように離れたのだろう。<br />「お、お〜いっ！お仲間さん」<br />　お仲間さんは自分に気づき陽気に手を振る。<br />　自分はそんなお仲間さんの姿を確認をすると、走って向かった。<br /><br /><br /><br /><br />]]></description>
<pubDate>Sun, 19 Feb 2012 01:11:00 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=847446&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[クロと素(しろ)と碧のセカイ②後編／第壹話『海の家・みずき』]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=847083&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br /><br /><br />　自分は今、お仲間さんが身内だけで開いている海の家『みずき』のバイトをしている。<br />　なぜ自分が海の家でバイトしていれのかというと、水野愛に『交換条件』として<br />、連れて来られたからだ。<br />　水野愛。<br />　全国一斉試験で今までの最高記録の全教科全問満点を取った才女。運動神経も良く並外れた反射神経も持ち、誰もが一目惚れをする美貌を持つ彼女は、容姿端麗。<br />　だが、彼女には欠点がある。<br />　人間関係、コミュニケーションが苦手ということだ。<br />　そして、毒舌に暴言。<br />「大丈夫?」<br />「……ん、っ！?」<br />　すぐ後ろから声がした。<br />　振り向く、<br />　振り向くと、中学生にしては艶やかで色っぽい肌をして水色のビキニと短パンを履いている水野愛がいた。<br />　エロい。<br />　格好的にエロくないはずなのだが、なぜか、妙にエロく感じる。<br />　なぜだ！?<br />　水野の美貌に自分は目を奪われた。<br />　そんな自分を怪訝な眼で見つめて、<br />「しっかりなさいよ」<br />「……う、うん」<br />「しっかりしないと、使い物にもならないゴミよ。リサイクルも不可能な邪魔なゴミクズよ」<br />「お前、相変わらず暴言が酷いな。　それで接客できるのか?」<br />「誰が接客やると言ったのよ」<br />「え……だって、見たところお前以外に客寄せとかできるほどの人物（美女）、いないだろう」<br />　従業員は、店長の仲間由紀夫ことお仲間さんと、自分に水野愛、そして、なんか中年男性なのに可愛らしいトムくんこと富岡健二さん、思いっきり筋肉もりもりのウタくんこと神木奏太さんだ。<br />　どう見ても多く客を呼べそうなのは、男だけではなく女子にも告白されたことのある水野しかいないと思う。<br />「私が担当するのは厨房よ。あなたは私の奴隷よ、召し使いよ」<br />「水野」<br />「何よ」<br />「あのさ」<br />　自分は言った。<br />「なんか今日のお前の毒、酷くないか?」<br />「友達だからよ」<br />　即答だ。<br />　毎度おなじみの思考時間ゼロに見える即答だ。<br />　それよりも、<br />「お前は友達だったら、遠慮なしに毒を吐くのか?」<br />「ええ」<br />　これまた即答だ。<br />　こう早くハッキリと答えが返ってくると、清々しさを通り越えて、いざ早く返って来ない時に不安になるじゃないか。<br />　出来れば少しの間があって欲しいと思う。<br />「だったら、誰が接客や客寄せをやるんだ?」<br />「とてもいい客寄せパンダなら、時期に来るわよ」<br />「客寄せパンダって……」<br />「文字通り客寄せパンダよ。事務所とかにバレたらやばいみたいだけどね」<br />「え……」<br /><br /><br />　　　　　　　＊<br /><br /><br />　AIR。最近人気の出てきた男女七人混合ダンスグループ。歌手、ダンサー、役者、声優、コメディアンとオールマイティーなアイドルユニットだ。その中で一、二を争うイケメン、茂原真司。メンバー最年少の十二歳。Ｏ型。クールな面持ちと背の高さ、歳の割には大人びた表情と言葉で女子のハートをキャッチして、個人の仕事も増えつつある。何を隠そう自分の妹もAIRのファンだ。ファンクラブにも入っているくらいの。<br />　そんな妹が好きなAIRの茂原真司が今、目の前にいた。<br />「茂原真司です。あだ名は……」<br />「おしんこよ」<br />　え……<br />　お前、なんて言った。<br />　アイドルに何をおしんこというあだ名を付けているんだ、水野。<br />「愛ちん、オレのあだ名は……」<br />「おしんこよ」<br />　コイツ、一度ならず二度までも<br />　それより、なんでアイドルの茂原真司は水野のことをあだ名で呼んでいるんだ?<br />　そんなに親しい仲なのか?<br />　いや……水野には友達は自分しかいないはずだ。<br />「あだ名、変えてくれる?」<br />「嫌よ」<br />　即答。<br />　アイドルに即答。<br />　断固と譲る姿勢がない水野。<br />「水野」<br />「何よ」<br />「あだ名くらい変えてもいいんじゃないのか」<br />「嫌よ」<br />　即答。<br />　まともや即答。<br />　思考時間ゼロに等しいくらいの即答。<br />　即答しずきて清々しいくらいだ。<br />「ほら。観客の前で呼ぶのに恥ずかしいし、呼ばれるのも恥ずかしいだろ?」<br />「別に」<br />　のっぺりとした表情で平坦な口調。<br />　相変わらずにも程がある。<br />　アイドルが目の前にいても、表情を一つも変えずにいつものまま。<br />　水野の神経を疑ってしまう。<br />「水野は、変なあだ名を付けられたら嫌じゃないのか?」<br />「どんな」<br />「へぇ?」<br />「どんな変なあだ名を付けるのよ」<br />「付けてほしいのか?」<br />「付けられるものなら付けてみなさいよ、アンビシャスくん」<br />「おい、自分の名前もあだ名もアンビシャスという名前じゃないぞ」<br />「あら、アンビシャスって気にいってくれたんじゃないの?」<br />「別に気にいったわけじゃないっ」<br />「あら、そう」<br />「そうだよ」<br />「じゃ、あなたのあだ名は、あんこよ」<br />「はぁ！?」<br />「そして、あなたは、おしんこ」<br />「えっ！?　なんでオレまで！?」<br />　続けざまに茂原真司にもあだ名を改めて付け始める水野。<br />「喧しいわね。それでも男?」<br />「「男です！！」」<br />　自分と茂原真司は一斉に声を上げた。<br />「あらあら生きのいいことね。　でも、喧しいから口を閉じてくれるかしら。しないと、口を縫って無理矢理でも閉じるから」<br />　水野愛は微笑みながら言った。<br />　目が笑ってない微笑みで。<br />　なんか怖い。<br />　いや、マジで怖い。<br />　コイツなら本当にやりかねない。<br />　言いたいことがあったのだが、水野愛から『これ以上無駄口を叩いたら殺す』という無言の脅迫を受けたみたいで、それ以上何も言えなかった。<br />　茂原真司も同じように無言の脅迫を察知したのか、黙っていた。<br />　どうやら、茂原真司も水野愛の性格をご存知のようだ。<br />「じゃ、おしんこは客を連れてきて」<br />「え……オレ、厨房じゃないの?」<br />「違うわよ。　なんで?」<br />「だって、オレ……芸能人だから、事務所に無断で仕事しちゃマズイよ」<br />「大丈夫じゃないの、バイトしながら芸人やっている奴もいるんだから。　それに私、芸能人としてのあなたのことなんか全く知らないわよ」<br />「一応、これでも何度もオリコン一位に入っているんだよ。だから外に出たら騒ぎになっちゃうよ」<br />「そんなの全く知らないわ」<br />「えっ、オレ……こないだ愛ちんにオレらの曲、知らないって聞いたから新曲、渡したよね?」<br />「そうだったかしら」<br />「そうだよ」<br />「でも私、渡して聴かないと思うわよ」<br />「聴いてよ」<br />「嫌よ。　なんで好きでもない人の曲を聴かなければならないのよ」<br />「………………………」<br />　茂原真司はよっぽど、自分たちの曲を聴いて欲しかったのか、凄く残念で悲しげな表情を浮かべる。<br />　おいおい……。<br />　水野愛よ、友達の歌っている曲くらい忘れずに聴いてやれよ。<br />「私は私自身が認めた人の曲以外は聴かないわ。　聴いて欲しかったら私に認められるようにもっといい曲を作っもらって歌いなさい。もしくは自分自身たちで作りなさい。　人に曲を作ってもらうだけでは、自分自身の個性なんか出せないわよ。所詮、他人の曲で自分自身たちの個性が出せるのは少しだけしかないわ。　自分自身で音を作り、自分自身で詩を書き歌う。ハイテンポの曲なら自作をダンスを入れてもいいわ。それで限りなく自分自身に近い曲になるはずよ。みんなに受け入れてもらえたら、尚且つ良いわね。それが本当の意味の、自分たち自身の『曲』というものじゃないのかしら」<br />　ものすごく上から目線。<br />　でも、間違っているところはないと思うのは自分だけだろうか。<br />　自分も最近の他人が作った曲を売り出すということに疑問を感じていた。明らかに自分自身というものを出せる部分が少ないという水野愛の意見はわかる気がする。<br />　でも、自分自身が出せて作れる名曲というのは数少なくなっているから、そう良いでないと思う自分もいた。<br />「……………わかったよ。　作るよ、愛ちんに認めるほどの凄い曲を」<br />　え……。<br />　茂原真司くん、それでいいのか?<br />　そこはプロとして譲れないところを言って反発するというところではないのか?<br />「私とその他の誰もかもが認める曲よ」<br />「…………わかった」<br />　いやいや、わかったじゃないよ。<br />　そこがAIRの良いところと言っているファンにとっては水野の一言で変えられちゃダメだろ?<br />「頑張って」<br />「…………頑張るよ」<br />　頑張っちゃうんだ……。<br />　茂原真司は厨房から出た。<br />　なるほど<br />　水野愛はこうやって、毒を吐きながらも人をその気させる天才だな。人間関係、コミュニケーション能力が欠けている割には、端から見れば人の扱いに慣れているように見える。<br />「何をボーっとしているのよ、あんこ」<br />「なんだよ、みずあん」<br />「あとで、あなたを切り刻んで料理してあげる」<br />　水野愛は包丁を自分に向けた。<br />　悪意に満ちた目つきをしながら相変わらずの氷点下な口調は明らかに本気を感じる。<br />　あだ名を付けてといったのは、お前が言ったじゃないか。<br />「楽しみね。　人間の三枚おろし」<br />　水野愛は笑う。<br />　まるで悪魔か、悪霊に憑依され獲物を狩るような恐ろしい微笑みで。<br />「水野さん、ごめんなさい」<br />　自分は本気で殺されたくない為、謝った。<br />　人生をここで終わらせたくない為、狭い厨房の中、土下座して謝った。<br />　男として情けないが、必死で謝った。<br />　だって死にたくなかったんだもん。<br />　そんな自分の思いが通じたのか、水野は包丁を下げた。<br />「いいわ。　許してあげる」<br />　ふぅ〜。<br />　自分はホッとした。<br />「だけど、特別に『交換条件』を増やしておくから宜しくね」<br />　え……。<br />「死んで喰われるよりはマシでしょ。　安心して死ぬようなことはさせないから」<br /><br /><br /><br /><br /><br />]]></description>
<pubDate>Sat, 18 Feb 2012 00:56:00 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=847083&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[水樹奈々さんの誕生日記念後夜('∀^*)]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832756&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br />　また昨日の流れで、水樹奈々さんの画像を更新川´у｀)<br /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538786_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538786.jpg" target="_blank" /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538785_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538785.jpg" target="_blank" /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538784_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538784.jpg" target="_blank" /><br /><br />26thシングル 「Synchrogazer」<br />品番：KICM-1377<br />発売日：2012年1月11日<br />価格：￥1,200（税込）<br />初回製造盤：カラーデジパック仕様<br /><br />【収録曲】 <br />01. Synchrogazer<br />★ TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」オープニングテーマ<br />作詞：水樹奈々 作曲：上松範康（Elements Garden）<br />  編曲：上松範康（Elements Garden）<br />02. Love Brick<br />★ CS放送フジテレビTWOオリジナルドラマ「スイッチガール!!」主題歌<br />作詞：meg rock 水樹奈々 SAYURI 作曲：齋藤真也 編曲：齋藤真也<br />03. 理想論<br />作詞：藤林聖子 作曲：Yu-pan. 編曲：藤間仁（Elements Garden） <br /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538799_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538799.jpg" target="_blank" /><br />]]></description>
<pubDate>Sun, 22 Jan 2012 07:17:27 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832756&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[私事ですが……(￣▽￣)]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832768&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br />　そういえば、私も誕生日でした(；￣▽￣)／<br /><br />　祝福的なことはありません、ただ普通の生活を続けています(´∀｀)<br /><br />　マッタリとしています川´у｀)<br />　ええ｡ナマケモノですねww<br />　ナマケモノですけど、何か?<br /><br />　普通に過ごせることが今の時代、大切だと思う(o≧。≦o)<br /><br />　普通で何が悪いww<br /><br />　でも……<br /><br /><br />　私の場合はナマケモノよりも猫と言われたい((ﾐﾟoﾟﾐ))←猫の顔文字が作れなかったからドラえもんの顔文字にしたww<br /><br />　まぁナマケモノよりも活動はしているし動いていますから(^^)v<br /><br />　今日も夜はBGMに好きな曲を流しながら、こたつで真ん丸になって過ごしますwww<br /><br />　最近の夜はこんな感じですww<br /><br /><br />　でわ(￣▽￣)／]]></description>
<pubDate>Sat, 21 Jan 2012 19:37:47 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832768&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[水樹奈々さんの誕生日記念＼＾o＾／]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832754&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br />　昨日の流れで水樹奈々さんの画像を更新します(´∨｀)<br /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538789_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538789.jpg" target="_blank" /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538788_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538788.jpg" target="_blank" /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538787_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538787.jpg" target="_blank" /><br />]]></description>
<pubDate>Sat, 21 Jan 2012 00:37:00 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832754&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[水樹奈々さんの誕生日記念前夜(^O^)/]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832752&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br />　まだ終わってないクロ素第二章の流れをぶった切っての、水樹奈々さんの画像を載せます(´∀｀)<br /><br /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538793_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538793.jpg" target="_blank" /><br /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538792_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538792.jpg" target="_blank" /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538791_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538791.jpg" target="_blank" /><br /><br /><img src="http://contents.syncl.jp/reincarnation/img/upload/up_1538790_max.jpg" class="blogPhoto" alt="up_1538790.jpg" target="_blank" /><br />]]></description>
<pubDate>Fri, 20 Jan 2012 00:36:00 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832752&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[クロと素(しろ)と碧のセカイ②前編／第麓話『お友達』]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832743&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br /><br /><br />　お仲間さんこと、本名は仲間由紀夫は今年、五十二歳を迎えるが未だ独身である会社マンだ。<br />　一人暮らしには、大きすぎる二階建ての家は、昭和の香りがするような古ぼけていた。歩く度に軋む音が聞こえるくらいの年代物の家だ。お仲間さんはこの家に、もう人生の半分を過ごして来たとのことだ。何度か、新しい家を探そうと思ったけど、長年住んでいたせいか、妙な愛着が沸いてきて、結局今日までの日々をこの家に住んできた。そして、これからも死ぬまでこの家に住み続けることに決めているらしい。お仲間さん曰く、物が捨てられない性分とのことだが、その割には家の中は独身男性にしては綺麗に片付けされている。<br />　自分と水野はお仲間さんに誘われるままに居間へと案内された。<br />　居間はこれはまた端の置かれた二十四型のデジタルテレビ以外は昭和にタイムスリップをしたかのようだ。<br />「好きなところで寛いでくれ」<br />　お仲間さんは、テレビを付けた。<br />　テレビで映し出された番組は、テレビショッピングだった。<br />　お仲間さんはリモコンを水野に渡し、<br />「好きな番組を見ていいから」<br />　そそくさと居間から出た。<br />　自分は不意に時計を見た。<br />　時刻は深夜、または早朝の三時五十分。<br />　この時間帯でテレビに何を見ろというんだ。<br />　水野のはリモコンの番組表機能を使い、見たい番組を選んでいる。<br />　相変わらずの無表情。<br />　さっきの綻んだ表情はどこに行ったんだ……?<br />　まるで、さっきまでのあの和らいだ表情はなかったかのようだった。<br />「何もないわね」<br />　とてもつまんなさそうな表情に平坦な口調。<br />「この時間帯じゃ、テレビショッピングくらいしかやってないだろう」<br />「それもそうね」<br />　はぁ〜<br />　ため息混じりに天井を見上げた。<br />　電気のかさには、どこからか入って来たかはわからないが、一匹の蛾が飛んでいた。<br />　迷い蛾と名付けておこう<br />　そんな馬鹿らしいことを考えて暇を持て余していた。<br />「…………何を馬鹿なことを考えているのかしら?」<br />　え………<br />「聞こえなかったのかしら?何を馬鹿なことを考えているの、と聞いているのよ」<br />　相変わらず可愛いげのない平坦な表情と口調の水野。<br />「おい……なんか、自分は何か口走ったか?」<br />　水野は言った。<br />「いえ」<br />「そうか、その言葉にホッとするよ」<br />「蛾に名前を付けていた以外は、何も口走ってなんかいないわ」<br />「完璧に口走っているじゃないかっ」<br />「ふふふ、あんなの面白くもないから安心なさい」<br />「なんだっ！その何やら勝ち誇った笑みは！?」<br />「アンビシャスくんって、何にでも名前を付ける不思議ちゃんなのね」<br />「だぁーーーーっ！忘れろっ」<br />「何をそんなにいつもの名前の訂正を忘れるくらい焦っているのかしら。面白いわね、アンビシャスくんって」<br />「安斎です！いいから、忘れて下さいっ」<br />「顔を真っ赤にして、可愛いわね」<br />「さっきから会話が成立してねぇ！！」<br />「ふふふ」<br />　まるで悪魔のような邪悪に満ちた微笑む水野愛。<br />　この女、完全に遊んでやがる。<br />「仲良くやっているね」<br />　笑顔で現れたのは、お仲間さんだった。<br />　さっきのランニングシャツとパンツから一定して、ワイシャツにトレパンという出で立ちで麦茶とコップ三つほどを持って現れた。<br />「よっこらせ……てか、もうおじさんかぁアハハ」<br />「………………………」<br />「………………………」<br />　自分たちの前に座り、お仲間さんは我にツッコミ照れ笑う。<br />　どう反応すればいいんだ………。とりあえず水野が何も反応がしないから、流したけど……。<br />　お仲間さんは何にも動じることなく、コップに麦茶を注ぎ自分たちに渡した。<br />「これどうぞ」<br />「どうも、ありがとうございます」<br />「……ありがとう」<br />「いえいえ」<br />　優しく微笑むお仲間さん。<br />　水野とは違って無表情が全くない表情と心が豊かな人なのだろうな……。なんで、結婚出来ないのだろうか……水野よりは人付き合いが良さそうでいい人そうなのに……。<br />　水野は無表情が多いのと、口調が冷たいせいもあると思うのだろうが、感情が欠落している印象を受けてしまっている分、そう思ってしまう。<br />「あいちん、あの家はどうだった?」<br />「ダメダメよ。　宿泊先はタオルとか忘れた人の為に補充しとかないと」<br />「そうか……」<br />「そうよ」<br />「アンビシャスくんはどうだった?」<br />「安斎です」<br />「じゃ、安座くんはどうだった?」<br />「『い』が抜けているよ」<br />「ごめんごめん」<br />「ちゃんと、『い』を付けないと意味が違って来ますから気をつけて下さい」<br />「ハハハ、これまたすまんな」<br />「本当にお願いします」<br />「あら、丁寧な言葉遣いね。　私には一度もそんなことはなかったのだけど」<br />「水野は何を言っても無理だからな」<br />「あらどうして?」<br />「確実にわざとで、注意してもやめないからだ」<br />「当たり前よ。　あなたみたいな低脳でクズの言うことなど、ありえないわ」<br />　水野愛は意地悪な表情を浮かべて言った。<br />「それに――――」<br />「それに、なんだ」<br />「遠慮なく、聞きたいの?」<br />　自分は『遠慮なく』を水野愛に言ってはいけないことを思い出した。<br />「出来れば遠慮してほしい」<br />「そう、じゃ……」<br />　そう言うと、水野愛は相変わらずの表情に戻った。<br />　そして、自分に近づき、<br />「別件であなたにお願いがあるのよ」<br />「べ、別件?」<br />　『交換条件』以外のお願い?<br />　嫌なお願いではあるまいな。<br />　それにしても顔が近い。あと数センチくらい近づいたら、触れてしまいそうだ。<br />　それに……。<br />　つい水野愛の胸に眼がいってしまうのはどういうことだ！?自分はそんなつまらない男ではなかったはずだ！?安斎誠は女の子の外見（特に胸など）で判断するような、品性の下劣な男などではなかったはずなのだ……。<br />「どうしたの?」<br />「あ、いや……なんでもない」<br />　謝れなかった……。<br />「そう、しっかり聞いて頂戴。クズ」<br />「クズ！?クズとは何だ！?」<br />「そのままの意味よ」<br />「しれっと言うな！！」<br />「ハハハ」<br />　目の前で自分らの話しを聞いていたお仲間さんが高らかに笑い出した。<br />「笑わないで下さいよ」<br />「いや〜相変わらずだな、と思ってね。愛ちんは」<br />　相変わらずなのか……って。<br />　水野愛の目が半分くらいに細くなった。<br />　あからさまに機嫌が悪くなった。<br />「お仲間さんは黙って口出さないで頂戴、五十代独身男」<br />「ハハハ、わかったよ」<br />　さすがは年長者だ。<br />　お仲間さんは若者（水野愛）の挑発的な毒舌を買わずに一歩ひいた。<br />「で、続きなんだけど――」<br />「あ、うん」<br />「つまりね、あなた」<br />　水野愛は言った。<br />「何て名前だっけ?」<br />　コイツ……真面目に自分の名前を忘れやがったな<br />「安斎誠だ。頼むから覚えてくれ」<br />「わかったわ――改めて」<br />　改めるんだ……。<br />「安斎誠さん。私は今まで仲間は居ても友達は人っ子一人もいないのよ」<br />「それいることにならないか?」<br />「ならないわ。友達といっても共通の趣味以外は会わない話さないから」<br />「そうなんだ……」<br />　自分的にはそれを友達と思ってもいいと思うけど……<br />「残念で仕方がないわ」<br />「残念なんだ」<br />「ええ、残念よ。あなたみたいなクズ……いえ、豚の餌にもならない雑草ごときにさえ友達がいるなんて」<br />　なんだか、この人の暴言、酷くなっているよ。<br />「しょうがないから、あなたと巡り逢えたのも運だと思って仲良くやっていけたらいいな、と愚かな考えをしているわ」<br />「愚かなんだ……」<br />「ええ、愚かよ。当たり前よ」<br />　肯定しやがった。<br />「仲良くなるには、まず友達からよね?」<br />「まぁ――そうだね」<br />「というわけで、この夏から私達、友達にならない」<br />「友達……」<br />「そう、友達よ。断ればあなたを殺すわ」<br />　今、この人、ごく普通に殺すって言って脅迫したよ。<br />　なんで、自分を友達一号に選んだかは知らないが、<br />「わかったわかった、友達になるよ」<br />「そう、ありがとう」<br />　水野愛は今まで見たこともない微笑みを見せた。それはやっと実った向日葵のように。<br /><br />　――夏休みに入った次の日の深夜四時三十二分、自分は正式に水野愛の友達となった。<br /><br />　……だが、<br /><br />　その後、お仲間さんの家で朝食をいただき、寝る間もなくバイトに行った為、自分の眼に少しだけクマが出来ていた。<br />　完全に睡眠不足だ。<br /><br /><br /><br /><br />]]></description>
<pubDate>Sun, 15 Jan 2012 00:36:00 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832743&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[クロと素(しろ)と碧のセカイ②前編／第伍話『お仲間さん』]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832370&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br /><br /><br />　自分は水野愛に引っ張られながら、外に出た。<br />　いつの間にか、外の雨はやんでいた。<br />　そして、雲一つもない星空に月が出ていた。<br />　それは滅多に見られないくらいの満足の星空。<br />　――それと、<br />　満月だ。<br />　千を越えるほどの星に満月に照らされ、いつもの夜よりは明るい。<br />　初めてだ。<br />　こんな明るい夜を見たのは……。<br />　都会ほどではないが、今までは疎らな星空しか見たことはなかったから少し感動だ。<br />　街というより村に近い沿岸だから見える光景なんだろうか……。<br />「で?　いったい、どこに連れていくんだ?」<br />　自分は腕を引っ張り連れていく水野愛に聞いたが、<br />「………………………」<br />　返事は返ってこない。<br />　水野愛は自分の問いに歩みを止めることも、振り向くこともなく進む。<br />　目の前には、小柄な水野愛の背中があった。<br />「おい……」<br />　再度、呼びかけるものの返事はなかった。<br />　聞こえてないのだろうか……?<br />　そんなわけがない。<br />　なぜなら、微かな波の音に梟の鳴き声がたまにするくらいで、ほぼ静寂な夜だ。<br />　シカトという奴か……。<br />　すると、水野愛は歩みがいきなり止まった。<br />「ここよ」<br />　水野愛は目の前の建物に指をさした。<br />　自分は水野が指した場所を見た。<br />「ここ、って」<br />　どう見ても普通の家だった。<br />　………………えっと、どう反応すればいいんだろうか?<br />　ガラガラ<br />　リアクションに困っていると家の引き戸が開いた。<br />　家の中から出てきたのは、五十代前半の細身のおじさんが出てきた。<br />　おじさんはランニングシャツにパンツ姿という外に出るにはギリギリの格好で出てきた。<br />「シャス！　愛ちん、来ていたのか」<br />　気さくに水野に話しかけるランニングシャツとパンツのおじさん。<br />　っていうか……愛ちんって誰だよ。<br />「ええ。今来たばかりよ、お仲間さん」<br />　水野愛はいつものように平坦な口調だけど、表情は少し軟らいでいる。<br />　おいっ！愛ちんって水野のことだったのかっ！?<br />「そうか、元気そうだな」<br />「ええ。お仲間さんも元気そうで」<br />「まぁ元気だが、相変わらず嫁さんが欲しい」<br />「あなただったら、すぐに見つかりますよ」<br />「そうか」<br />「そうですよ」<br />　水野愛とお仲間さんことランニングシャツとパンツのおじさんは、楽しげな会話を始めてしまった。<br />　そんな今まで見たこともないくらい綻んだ表情を見せる水野愛を見て、無償にこのお仲間さんことランニングシャツとパンツのおじさんに苛立ちを感じた。<br />「ところで、そちらの男性は?」<br />　お仲間さんは水野愛の後方にいる自分に気づき、水野に聞いた。<br />「こちらは、クラスは違うけど同級生の友人です」<br />「「………………え」」<br />　自分は驚いた。<br />　まさか、あの水野愛の口から『友人』ていう言葉が聞けるなんて思わなかったからだ。<br />　でも、自分以外にもお仲間さんも同じ反応をしていた。<br />「アンビシャスくん、自己紹介を」<br />「おい！いきなり友人の名前をのっけから間違えんな！自分の名前は、安斎誠だ」<br />　いつも通り名前を間違える水野に、名前を訂正した。<br />「自分の名前を、そんなカッコイイけど名前負けしそうな名前にするな」<br />「あら、ごめんなさい。わざとだから許して」<br />　意地悪そうな微笑みを浮かべる水野愛。<br />「は！?じゃ、今までわざと間違えていたというのか?」<br />「いえ――」<br />　即答。<br />　思考時間ゼロ。<br />　自分がそう聞くことが前からわかっていたみたいに答えた。<br />「――今のは、わざと。あとはマジよ」<br />　いつも通り平坦な口調と表情がまだ少し軟らいでいる。<br />　自分たちの会話を聞いていたお仲間さんが言った。<br />「仲がいい友人が見つかってよかった、愛ちん」<br />「え……何を言っているの?」<br />　いきなりのお仲間さんの乱入で水野愛は少し戸惑う。<br />　今まで無表情か悪意ある表情以外見たことがなかった自分は驚いた。<br />　なんだ……この水野の表情、今まで見たこともない。<br />　そんな水野の表情を見ていた自分にお仲間さんは言った。<br />「安斎くん、いや……アンビシャスくん。愛ちんと仲良くな」<br />「ああ、いや……うん」<br />　その名前で呼ばれても困るんだけどな。<br />　そんな気持ちも伝わずにお仲間さんは続けた。<br />「まぁ、深夜に外でなんだから、とりあえず家に入れや」<br />　自分と水野はお仲間さんに背中を押される形に家の中に入った。<br /><br /><br /><br /><br />]]></description>
<pubDate>Sat, 14 Jan 2012 00:16:00 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=832370&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[クロと素(しろ)と碧のセカイ②前編／第視話『丑三つ時』]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=829989&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br /><br /><br />　自分と水野愛は一先ず話しを終え、夕食の準備をして食卓についた。<br />　食卓に並べられたのは、白米、アサリとワカメに豆腐のみそ汁、自分の嫌いなゴーヤチャンプルに、近くの海で取られた魚を塩で炙った焼き魚。<br />　普通過ぎるが、中学生の男女が作るには豪勢な食事だ。<br />「「いただきます」」<br />　自分はまず、みそ汁の啜り飲んだ。<br />「なんだ……これ」<br />　自分は驚いた。<br />　なぜなら、今まで食べたこともないほど美味しかったからだ。<br />「美味しい……。　お前って、料理人になれるんじゃね」<br />「………………………」<br />　自分は水野の作ったご馳走に絶賛するが、水野は無言で、相変わらずの平坦な無表情で食事をしている。<br />　ありがとう、くらい照れ隠しで言ってもらいたいな……。<br />「あ」<br />　そんな無言で無表情の水野愛は、何か思いついたような表情をちょっと浮かべて、席を立った。<br />「どうした?」<br />「………………」<br />　水野愛は自分の問いに返事せずに目の前にあったテレビを付けた。<br />　テレビでは調度よく天気予報が流れており、明日以降の天気を告げていた。<br />　水野はリモコンを持ちながら元の席に戻り、テレビを見ていた。<br />　自分も食事をしながら、テレビを方へと向けた。<br /><br />『明日の天気は、大雨注意報と大波注意報が出ています。　なので、なるべく沿岸部には近づかないようにしてください』<br /><br />「なんか……ヤバくない?」<br />　自分は言った。<br />「――明日のバイトは中止だよな?」<br />　水野愛はみそ汁を啜る。<br />　そして、冷静な態度で言った。<br />「連絡はその日の天気を見てだから、後で電話で連絡が来るはずよ」<br />「そうか……」<br />　この時の自分はなぜだか、妙な胸騒ぎがあった。<br /><br />　食事を終え、片付けを済ませた自分たちは一旦、二階にある部屋へとそれぞれ入った。<br />　電気をつけ見ると、ベッドとクローゼットと小さなテーブルに一つの椅子しかない殺風景な部屋だった。<br />　掃除もしっかりされてなく、少し埃っぽく壁には黒いシミのようなものが付いていた。<br />　安い宿泊所だと、こんなもんなのかな……?<br />　なんか、雰囲気はかなりロッジよりというか、とペンションとロッジの区別が全くついてない自分は思っていた。<br />　こんなに汚れているなら早く来て、さっさと掃除しとくんだった、と自分は後悔した。<br />　自分は小さなテーブルの埃を払い荷物を置き、軽めの掃除をした。<br />　すると、前よりマシになった。<br />　ふぅ……。<br />　たまにやる掃除はごくまれにだが……やり抜いたという達成感を与えてくれる。<br />　特に軽めの掃除は。<br />　明日は徹底的にやろう。<br />　掃除が終わり片付けした後、綺麗にしたベッドへと思いっきりダイブした。<br />　その時、ベッドから今にも壊れそうな金属音がなったが、気にせずに横になった。<br />　なんか、今日は異様に疲れたな。<br />　自分は今日一日を振り返った。<br />　結局、水野愛が二つ目の『交換条件』を出した理由がわからない。<br />　何度も、思うことは家をのぞき見したよりも、家を見たに近い程度の自分が『交換条件』を二つもしなきゃいけないのか……?<br />　それくらいの代価なのか?<br />　普通に考えてみても、二つしなきゃいけない理由にはならないはずだ。<br />　だと、すると……やっぱ考えられることは、一つだ。<br />　これって、まさか……。<br />　一緒にいて逃げたアイツらの分……<br />　自分は考えている内に強烈な睡魔が襲ってきた。<br />　そして、睡魔に負けて眠りについた。<br /><br />　安らかに眠っていた自分は、バチンと頬にに強い痛みを感じた。<br />「っ!?」<br />　最悪の目覚め。どうやら頬を張り飛ばされたらしい。<br />　な、なんだ!?　強盗か!?<br />　仰天した自分は、慌てて目を開ける。<br />「っ」<br />　まぶしい。<br />　部屋の電気はつけられているいるようだ。<br />　腹に重みを感じるが、手足を拘束されているようなことはない。<br />　強盗にしては中途半端な……って、おい！<br />「お、おまえっ」<br />　襲撃者の姿を認めた自分は、目を見張ってしまう。いきなり夜襲をかけられたもんだから、心臓が早く脈打つ。<br />「…………静かにして」<br />　なんと襲撃者の正体は、真っ白なＴシャツに短パン姿の水野愛だった。<br />　ベッドで上体を起こした自分に、覆い被さるような体勢で四つん這いになっている。化粧をしなくっても美しく整った水野愛の顔が、すぐ間近にある。<br />「………なっ、なんだよ」<br />「静かにしなさい、と言っているでしょ?　人語を理解できないのかしら」<br />　相変わらずののっぺりとした表情に氷点下のような口調。<br />「人語は理解できるから、静かにするよ……」<br />「あら、そう。　静かにできなかったら、舌を切り取って大雨の外に捨てるところだったわ」<br />　水野愛は小声で、恫喝してきた。<br />　その時、僕の背筋に寒気が走った。<br />　コイツ……マジでいっているだろう。<br />　水野の冷ややかな殺意的な視線は明らかに本気に近い。<br />「水野……マジでいってる?」<br />「ええ、マジよ。　大マジよ。　本当よ。　真実よ、悪いかしら?」<br />　即答だ。<br />　思考時間ゼロ。<br />　そして、自分な思っていたことを断定しやがった。<br />「いきなり寝起きで、すぐに話しかけられたら上手く話せないよ」<br />　自分は髪を掻きむしり言った。<br />「――それに、上手く話せなかったら舌を抜くって……罰ゲームの域を越えているよ」<br />「あら、そう」<br />　水野愛は平然な表情で答えた。<br />　いつか……人殺ししても平然な表情をしているんだろうな。<br />　『冷徹人間』<br />　自分が今まで水野愛と付き合ってきて抱いたイメージだ。<br />　どこかの感情が欠落していて、人間味があんまりしない。まるで悪魔のような負の感情に、感情を全く持たないロボットのどちらかの印象。<br />　だといって、彼女は人間だ。<br />　彼女の中には真っ赤な血液が流れ、鼓動を鳴らして、その肉体の塊である身体を動かしている。<br />　そうだ、彼女は冷徹だけど人間。<br />　化け物じみている超人。<br />　神童と呼ばれるくらいの天才美少女。<br />　感情が欠落していなかったら、ただ他人よりは少し優れた人間なんだ。<br />　自分は彼女のことをそう思うことにした。<br />　……つーか、自分はいま……深夜、自室のベッドの上で、学校一の美少女である水野愛に覆い被さられて、至近距離で見つめ合っているわけだが……。<br />　このシチュエーションは……いったい？<br />　このシーンだけ切り取ってみると、ラブコメちっくだが、自分の心臓は違う意味で張り裂けそうだ。<br />「と……とりあえず、ベッドから下りてくれないか……」<br />　呼吸を整えながら言うと、水野愛は明らかにムッとした表情を浮かべて、自分の言葉に従った。<br />　水野愛は、見てくれの美貌だけは学校一を越えている。<br />　頭脳と美貌だけ見てみれば、みんなの憧れであり好かれる存在だろう。<br />　だから、その輝く顔を目の前に見せられて、自分は一瞬、殺されるくらいの鼓動に襲われたと、同時に冷酷な表情の水野愛に何をされるのか、がわからずに更に早く脈打つ、それは恋愛感情と恐怖でつくりだす錯覚だと思いたい。<br />　なぜなら、そうしないと自分は水野愛のことを好きだということになってしまうからだ。<br />　自分は起き上がり時計を見た。<br />　既に深夜三時であり、丑三つ時だった。<br />「はぁ……」<br />　こめかみを指で押さえ、ため息をついてから聞いた。<br />「で？どういうつもり？」<br />「…………ちょっとだけ話があるのよ」<br />　いつも通りの平坦な口調に無表情。<br />「話しって、なんだよ……」<br />「ちょっとで終わるわ」<br />　そう言って水野は自分を無理矢理立たせて部屋を出た。<br />　いったい……　何が始まるんだよ……。<br />　自分は不安でいっぱいだった。<br /><br /><br /><br /><br />]]></description>
<pubDate>Sun, 08 Jan 2012 03:46:00 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=829989&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
<item>
<title><![CDATA[クロと素(しろ)と碧のセカイ②前編／第賛話『キッチンクッキング』]]></title>
<link><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=829725&ref=rss]]></link>
<description><![CDATA[<br /><br /><br /><br />「――大雨か」<br />　自分は土砂降りになる外を窓際から見ながら、カーテンを閉めた。<br />「明日のバイトは休みの可能性は高いわね」<br />　水野愛はそう言いながら、台所へと向かった。<br />　どうやら、夕食の支度をするみたいだ。<br />　時計を見ると、針は六時半を指していた。<br />　もしかして、水野愛の手料理を食べさせてくれるのか………。だとしたら、ありがたい。<br />　合宿で班で作るカレーライスは男子の手料理を含まれている為、例外として自分は家族以外の女子の手料理なんてない。<br />　初めての女子の手料理だが…………心配だ。不安だ。<br />　なぜなら、料理を作るのは、あの水野愛だからな。<br />　自分はこの不安を取り除きたい為、じっと至っていられなくなり、足を水野愛がいる台所へと進めた。<br />　台所には、水玉模様のエプロンをした水野愛がいた。<br />　ブラウスの短い袖を更に折りたたんでピンで留め、ノースリーブっぽくしていて、料理に入らないように後ろ髪を前髪を上向きに、それぞれ青いゴムでしっかりと留めている。見ようによっては間抜けな髪型だが、綺麗な額が惜しげなく晒されている姿は、自分にとっては、普段よりも表情がよくわかっていい。<br />　なんか……さっき裸を見たせいで気まずい。<br />　どう切り出せばいいのかな?<br />「えっと……さ?」<br />　なかなか言い出せず、尻込んでいると、<br />「そこで何をしているの?」<br />　いつものようにのっぺりとした表情と平坦な口調。<br />　あんなことがあっても、動じずに自分を失わずに保っているなんて…………スゴイわ。　というか、少しはそわそわとかしてくれたっていいのに……可愛げのない。<br />「さっきのお詫びに手伝おうと思って……」<br />　とりあえず、相手がいつも通りだったので、いつも通りに切り出してみた。<br />　水野愛は手を冷水でしっかりと洗い、<br />「あなたみたいなクズな男に料理なんか、出来たのかしら?」<br />　なんか、水野愛の毒がいつも以上に自分のハートに響いた。<br />　でも、負けない。<br />「…………で、出来るよ。簡単なものなら」<br />「ふむ」<br />　と、水野愛はゴーヤを冷蔵庫の中から取り出して、自分の方へと向けた。かっこよく剣を向けるようにして。<br />「えっと……切れってことかな?」<br />　聞いてみたら、水野愛はただ頷くだけだった。<br />　ゴーヤを受け渡した後、水野愛は黙々と料理をし始めた。<br />　見たところ洗い終えた野菜をぶつ切りにしている。<br />　材料から見ればゴーヤチャンプルっぽいな……。というか、考えてみれば自分はゴーヤチャンプルのゴーヤは苦手なのだが……。<br />　水野愛を見ると、『自分はゴーヤ苦手なんです』と今更、言えない雰囲気だ。<br />　自分は渋々とゴーヤに手をかけた。<br />　ゴーヤって、味もだけど……表面のイボイボしているところも嫌なんだよね。<br />　そんなことを思いながら、ゴーヤを切り終わり水野愛に渡した。<br />　水野愛はまるでプロの料理人のようにゴーヤを炒める。<br />　なんて素早い手つきであのゴーヤがチャンプルされていく。<br />　水野って……将来、料理人になれるな。<br />　性格以外はいろんな職業にも適されている。美貌だし、運動神経もいい。人間関係以外は器用にこなすから人間関係以外は将来的に困らないな。<br />　さしずめ自分は、不細工だし、運動神経は平均的に真ん中だし。<br />　水野と比べたら、いろいろと劣り過ぎた。将来性ゼロに等しい。<br />　そう思った自分は、台所のすき間でため息を吐いた。<br />「何をため息を吐いているの?あなたのせいで私の幸せまで逃げたら、どうするのよ」<br />　感情がないのっぺりとした表情に平坦な口調。<br />　自分は料理の盛り付けをしている水野愛を見た。<br />　なんか、端から見ればゴーヤチャンプルを毒を入れている魔女の図に見えなくもない。<br />　オマエは女優を目指すなら悪役に決定だな。<br />　しかし、本当ならこのシチュエーション……。<br />　夏休みの初日。<br />　年頃の男女二人っきり。<br />　二人で料理を作る。<br />　言葉だけだと、なんとまぁいい展開なんだろう、と思われるが、なんなんだこれ、全然良くないし、嬉しくない、嫌だっていうか、むしろなんか普通に怖い。<br />　水野愛とくれば、相変わらずの平坦な無表情だし……照れくさそうなはにかむ顔とかやってくるなら、夢まで見た男女二人っきりみたいなんだけど、相手の感情が殆ど読めないっというのが、かなりキツイ。<br />　ついついあのゴーヤチャンプルに毒薬を入れてしまうじゃないのか、水野愛の手元から目が離せない。<br />　ものすごく裏がありそう。<br />　ていうか裏しかなさそう。<br />　両Ｂ面だ。<br />　それは始めて出会った時に思ったこと、と一緒だ。<br />　今も変わらずに思っている。<br />　少しはそばに、『友達』になれば印象が変わるのかな、と思ったけど……無理だったのかな。<br />「どうしたの?　赤西くん」<br />「自分はそんなジャニーズ系の名前じゃないよ、安斎だよっ」<br />「相変わらず名前の間違いには、しっかりと訂正するのね」<br />「当たり前だ。　お前も自分の名前を間違えて覚えられたらイヤだろう?」<br />「それもそうね」<br />　と、軽量スプーンを取り、フライパンの中にあるゴーヤチャンプルから、ゴーヤだけをちょっとだけ掬うようにして、それから、そのゴーヤを自分に向けて差し出してきた。<br />「あーん」<br />「…………………！」<br />　うわ……っ！<br />　何、このシチュエーション……！<br />　またしても、漫画とかでよく見るラブラブな恋人同士のラブラブイベントの一つとしてよく知られているけど、なんで、水野愛がやると、全然嬉しくないよ、むしろ平坦な無表情が普通に怖いよ！<br />　しかも、苦手なゴーヤだけ掬うなんて、偶然なのか……?<br />　自分がゴーヤが嫌いだということは知らないはずだから偶然のはずだが、こんな偶然は嫌だっ！<br />「どうしたの?　アンパン」<br />「…………水野」<br />「何よ」<br />「自分を食べものの名前と間違えるな」<br />「わかったわ。　わかったから早く食べて」<br />　いや………それは。<br />　自分は水野が掬ったゴーヤを食べるのに悠長していると、<br />「はい、あーん」<br />　水野愛は自分を口をこじ開け、無理矢理にゴーヤを入れた。<br />　そして、吐き出さないように口を無理矢理に塞いだ。<br />　口の中では、強烈な苦さが襲う。<br />　地獄だ。<br />　自分は無理矢理と口を抑える水野愛を振り切って、ゴミ箱に吐いた。<br />「………………」<br />　地獄のような苦さだった。<br />　わかりきってたオチではあるけれど……まさか、断るとかしない内にやるとは予想はつかなかった。<br />「ふ、ふふふ」<br />　笑う水野愛。<br />　実に腹が立つ、静かな笑い方だ。<br />「ふふふ……あはは。はは」<br />「……お前の笑顔が見れて自分はとても嬉しいよ」<br />　腹が立つ笑い方だったけど、普段は滅多に見せない笑顔には変わりはなかった。<br />　基本的にはとにかく無表情だからな。<br />「安静くん、ゴーヤ嫌いだったのね」<br />「吐いたけど……人の名前を病人にいうような言葉にするなよ、名前は安斎だ。ていうか、お前……自分がゴーヤが嫌いなことを知っていたのかっ！?」<br />「さっき、あなたがゴーヤを手にした時点のリアクションでわかったわよ」<br />　隠したつもりだったけど、バレていたんだ。<br />「――とても、わかりやすくってモロバレのリアクションだったわ」<br />　水野愛は平坦な口調、見下すような目つきで言った。<br />　自分はわかっていながら、ゴーヤを入れた時点でムカついた。<br />　少しは遠慮して欲しかった。<br /><br /><br /><br /><br />]]></description>
<pubDate>Sat, 07 Jan 2012 14:26:00 +0900</pubDate>
<guid isPermaLink="false"><![CDATA[http://reincarnation.syncl.jp/?p=diary&di=829725&ref=rss]]></guid>
<category><![CDATA[]]></category>
</item>
</channel>
</rss>

